キリスト教保育を行う幼稚園として「子供たちに本当の礼拝を守らせてあげたい。」という園長の強い思いから計画が始まりました。建物は礼拝堂と遊戯室、調理室から成り、園庭や既存園舎との繋がりを有効にしながらも礼拝堂は静かで落ち着いた場所となることを目指しました。正面に講壇を備えた長方形平面、２層吹抜けの礼拝堂は機能性、メンテナンス性を重視した上で礼拝の雰囲気を高める意匠性を合わせ持たせることを目標としました。２階レベルの両サイドにはね出しスラブを設けることで下側を空調機の設置スペース及び吹出し口に利用し、上部は通路として高窓の清掃やカーテンによる遮光が容易に行えるものとしました。そして鉄骨の列柱を設けることで側廊を持つバシリカ様式を想起させるものとしています。礼拝堂としての機能を重視する一方、遊戯室との一体利用が可能なこと、拡張が可能な調理室など利用形態の変化にも対応できることを目標にしました。